新型コロナウイルスによる 短期滞在ビザの延長
ウイルス問題で短期滞在ビザの更新措置
中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している問題で、封鎖状態にある武漢周辺に帰国できない複数の中国人観光客に対し、出入国在留管理庁が短期滞在ビザの更新を認めたとの報道がありました。
そもそも短期滞在ビザとは
私たちが自分の国籍以外の国を1日でも訪問する場合、原則的に「査証(ビザ)」と呼ばれる入国証明のようなものを事前に取得し、空港等で入国の手続きを行う必要があります(いわゆる「ビザ免除国・地域」からの短期滞在を除く)。
ビザは入国手続きに使用する書類の一部ではありますが、その重要性から滞在許可や在留資格そのものを指す言葉としても使われており、一般的に、短期滞在の在留資格を「短期滞在ビザ」と呼んだり、就労できる在留資格を「就労ビザ」と呼んだりしています。
外国人観光客はこの「短期滞在ビザ」で日本に滞在しているわけですが、許可される滞在日数は原則90日以内であり、許可された日数を超えてしてしまうと、オーバーステイ(不法滞在)状態になります。
短期滞在ビザの延長はできる?
短期滞在ビザは、原則として延長(更新)できません。例外として、滞在中に不慮の事故に遭ったり、病気により入院した等の「人道上の真にやむをえない事情」や、これに相当する「特別の事情」があると認められる、非常に限定的な場合のみ、更新される場合があります。
今回の措置は、中国人観光客の帰国先が封鎖状態であり帰国が困難であることから、「特別の事情」があり、かつ「合理的な理由がある」と認められたことになりますが、極めて異例の対応と言えます。
短期滞在ビザの更新はそもそも例外的な措置であるため、申請に必要な書類は個別のケースで異なります。万が一、短期滞在ビザの期間を更新しなければならない事態が発生した場合は、速やかに最寄りの出入国在留管理局の窓口で相談することが重要です。