建設業 一括有期事業開始届の廃止
事業主の事務負担簡略化
労働保険料は平成30年度の確定31年度の概算申告時期ですが、建設業においては確定申告をする際に確定年度の有期事業の開始届の内容を一括有期事業報告書にまとめます。開始届は平成30年度までは建設事業を開始した翌月10日までに一括有期事業開始届を労働基準監督署に提出することになっていましたが、この取扱いは平成31年4月1日からは届出不要になりました。
建設業(有期事業)ではその工事の現場ごとに労災保険を成立させますが、その事業開始又は事業終了に伴って保険関係手続を行う必要があります。ただし小規模な建設事業及び立木の伐採事業については事業単位で労働保険を成立させるのが煩雑なため、同一事業主が行う2以上の小規模の有期事業を同様に取り扱うことができ、一括された有期事業を一括有期事業と言っています。
一括有期事業の対象
一括有期事業は事業規模が概算保険料の額が160万円未満かつ請負金額1億8000万円未満(立木の伐採は素材見込生産量1000㎥未満)の工事が対象です。
また、有期事業の一括にかかる地域要件もありました。法律上当然に一括される有期事業は保険料の納付事務を行う事務所所在地を管轄する労働局に隣接する労働局、厚労省の指定する労働局管轄区域内で行われるものに限られていました。平成30年度の労働保険の確定申告には一括有期事業開始届を提出した有期事業が対象となります
(機械の組立て・据付けは地域要件なし)。
平成31年度(令和元年)からの改正
①一括有期事業開始届廃止……今年度からは工事があっても一括有期事業開始届は必要なくなりました。個別に労災を成立させる必要もありません。
②有期事業の一括にかかる地域要件の廃止……前述の地域要件により、隣接しない遠隔地の工事は個別に労働保険を成立させなくてはなりませんでしたが、地域要件の廃止により小規模遠隔地の有期事業も一括できることになりました。
労働保険料の有期事業では前年度の内に終了した工事について確定申告するので、前年度に始まった工事で年度をまたいで行ったものは次年度以降に確定となります。